「玉置玲央のワークショップ@福岡」がっつりコース、2日目のレポートです!
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<1日目>8/14 13:00〜17:00
まずは、
1日目と同じように、鬼ごっこから。
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・怪我をしない/させないを絶対にまもる。
・自分ができる動きの範疇を超えることをしない。
・自分の意志でコントロールできる動きの範囲でやっていく。
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というところに気をつけながら、ルールを追加・変更していきます。
・足音をたてないように歩く
・呼吸をする時は立ち止まる
・歩いている間は「あー」と言う。
・うさぎ跳び
・目を瞑る(鬼は「鬼です」と言いながら歩く)
など。
玉置
「アップで、鬼ごっこをやってもらった。身体や脳みそを起こしてほしい。
今から気をつけてほしいことについて。目を瞑って歩いている人はまわりにもいる。
他の人の動きを想像して、ひとりよがりにならないように。
鬼から逃げる時におろそかになりがちなのがまわりの存在。
目的にいっぱいになってしまう。でも、まわりには絶対人がいる。
そういう想像力と可能性をつまないようにやれたらいいんじゃないかな。
怪我する可能性を増やすというのは、絶対必要ないこと。
お互いを尊重し合えたほうが楽しい。これは目をつむってなくても同じ事。」終了後にはフィードバック。
目を瞑っている時の、まわりの状況の把握具合などについて話しました。
次に、空間を使って歩きました。
お互いに動く時の受信・発信に気をつけたり、
まわりをよく観察したりしながら歩きます。
終了後には、またフィードバック。
昨日との違いなどについて話しました。
玉置
「フィードバックを聞いていて、
空間に使って歩くことのやりたいことが伝わっていると思った。
この空間を使って歩くことの最終的な意識は、フィードバックでも言われてた、
『自分の演劇空間をどれだけ広げられるかが、どれだけお客さんをひきつけられるか』ということ。
一人芝居だと、僕が100%だせればいい。何人かいる時は、100%が全員分必要。
それが入る場をつくらないといけない。それが、昨日やった水槽のイメージ。
芝居の創作において、目指すのはそこ。
感覚的なものなんだけれど、自分の経験として、それができると、観客をどこかにつれていける。
泣かせたり笑わせたり、意のままにできる。これが全員できたら、すごくいいよね。
そういう瞬間はたまにある。みんなが足音気をつけたりしている時とか。
そういうのが見えたし、見えたとわかってくれてるというのがフィードバックでわかってよかった。
共有は積み重ねのもの。ずっとやっていけばあがる。重要なのは共有。
でも、伴って新鮮さが失われる。これも話にでてきたね。
それをどう失わないかが、我々俳優の仕事。
反復をいかに新鮮にやれるか。劇作家・演出家のやりたいことを体現するのは当然。
お客様を満足させるのも。その先で、新鮮さを失わずにやれるかが俳優の仕事。
感覚的なもので申し訳ないけど、今、共有はできてるよね。
それが演劇なんじゃないかなと思った。
あと、好きな場所嫌いな場所のこと・呼吸の話が今日出たと思う。
僕は、テンション高い役の時は袖ですごく浅い呼吸にしてテンションをそこまで持っていく。
舞台に人が出てくるのは必要なことなので、共演者は意味を必要とする。
共演者がいい状態でやりやすいように浅い呼吸や深く落ち着くために整えて出たりする。」次に、「何をやっているの?」というゲームをしました。
真ん中にいる1人が、パントマイムで何かの動作をおこないます。
「○○をしているな」とわかったら、次の人が
「何やってるの?」と聞きます。
聞かれた人は、その動作をしながら、次の人がやる動作を言います。
玉置
「重要なのは、きちんと風景を見せること。自分以外の全員にきちんと見せる。
見ている人も、回りこんで見てもOK。声は出さないで。
やるひとは、具体的に伝えるにはどうしたらいいか考えましょう。色やにおい、場所など。
季節がいつなのか、とか、それをあらわすにはどうしたらいいのか?とか。年齢とか。
見ている人も、決めつけでいいから、汲みとっていこう。
今は共有じゃなくていい。自分に蓄積して。
『何してるの?』と聞かれたら、動作しながら即座に次のことを言う。
身体と思考を分離しましょう。動作しながら、次の人にいうことを考える。
やってるだけじゃなくて、見るのも大事。これは、パントマイム。
重要なのは、そのパントマイムをすることで、見ている人に情報を伝えるということ。
小道具あることもあるけど、舞台は偽物の世界。それをどれだけ本物に近づけていくか。
飲み物とか、どう中身があるようにみせるか。温度や量など。
それに真実味をもたせるためにやった。
より言うなら、気候・相手との関係・生い立ちなど、眼に見えないものを見せていく。
そうすると、お客様は安心して信頼してくれる。」総集編として、最後に、3グループにわかれてエチュードをおこないました。
テーマは「室内」。セリフは発してOK。
事前の打合せはなしで、相手の発したものをいかして状況を描いていきました。
サーカス団の練習?や、居酒屋での風景、家族の様子など。
見終わったら、見ている人はどんな状況だと思ったか?を話します。
間取りや時間帯・季節・ドアの形など、どんな風に演じていたか?
それは共有されていたのか?という点にも気をつけます。
玉置
「では、反復です。今のをふまえて、基本的に同じことしてもらうんだけど、
より具体的に見えるようにやってみよう。
打合せはせず、舞台上のやりとりで見せて。
あと、むずかしいかもしれないけど、どんどん決めつけて。
それから、共演者への優しさ。ひとりごとを言ってもいい。
情報を出すことで発展させることができる。共演者に具体性をあたえる。
発展するエチュードをしてほしい。間違い・正解はない。
発展性・親切さ・共有を意識してみましょう。」今度は、見ている人からどう見えたか?というところをふまえ、
またエチュードをおこないました。
見ている人は、先ほどより状況がわかりやすくなっているかどうかなどについて話しました。
最後に、
玉置
「昨日今日、ワークショップでやってきたようなことについて考えて俳優をやっている。
お客さんに信頼してもらえると、『おもしろかった』という具体的な感想につながると思う。
僕は、お客様の信用を得たい、信頼されたい。共演者と何かを共有するというのもそう。
演劇は絶対に一人では作れない。お客様・スタッフさん・関わっている人すべてとつくっている。
だったら一人になってしまわないことが得策。
みんなで共有することに存分に甘えたらいいと思う。
一人が抱えている空間を全員で共有できたら、そして、それがぱっと目に見えるとお客様に伝えやすい。
2日間・8時間という短い時間で駆け足で進めました。
でも、これは答えではない。ヒントでしかないです。
向き不向きもあれば、合う合わないもある。
みなさんのなかでこれを何かとかして探ってもらえたら、と思います。」